2025年12月24日
【プロ解説】冬の乾燥でエルメスの角スレ・ひび割れが急増!対策と修理事例

『久しぶりにクローゼットから出したら、バッグがカサカサしている…』そんな経験はありませんか?
空気が乾燥するこの季節は、革にとってもダメージが蓄積しやすい時期。
鞄色屋でも、11〜12月は一年で最も修理相談が多くなる傾向があります。
本記事では、なぜ冬にトラブルが増えるのか、どのような症状が起きやすいのか、
そして今日からできる予防策を専門店の視点から解説します。
大切なバッグを長く使うための参考にしていただければ幸いです。
冬になるとバッグの乾燥ダメージが増える理由

季節ごとにバッグのトラブルには特徴があります。
梅雨〜夏は湿気によるカビ・ベタつき・金具の錆が増える一方、冬は一転して“乾燥ダメージ”が強まります。
特に冬の革は、日常環境の変化によって次のような影響を受けやすくなります。
- 外気温の低下で革が硬くなる
- 室内暖房による急激な乾燥
- 気温差による革表面の収縮
これらが重なることで、軽微な摩耗が一気に表面化し、角スレ・色あせ・ひび割れなどが起こりやすくなります。
実際に鞄色屋に寄せられた過去データでも、乾燥関連の相談は冬季(11〜12月)が最も多くなっています。
実際に多い“冬のバッグトラブル”
ここからは、鞄色屋に実際に寄せられた「秋冬シーズンに多い」修理事例をご紹介します。
【事例①】角スレ・色あせ(ピコタン/ブルージーン)

冬になると革内部の油分が抜けやすくなり、レザー表面が乾燥してマット化していきます。
この状態でバッグを使い続けると、角や底のスレが白っぽく浮き出てきます。
お預かりしたエルメス・ピコタン(ブルージーン)は、乾燥により色が薄くなり、角と底に小傷が広がった状態でした。革が硬くなる冬は、摩耗が進行しやすい時期でもあります。
【事例②】変色・コバの割れ(エブリン/ニューホワイト)

白系レザーは乾燥ダメージがとくに顕著です。
ストラップ付け根や底面に色あせ・スレが見られ、コバ部分には乾燥割れが発生していました。
コバ(フチ)は乾燥に弱く、冬は短期間でダメージが進むケースもあります。
こまめに状態確認を行うことで早期発見・早期メンテナンスにつながります。
冬に気をつけたいバッグ保管の3つのポイント

乾燥ダメージは、日々の保管環境を整えることで大きく予防できます。
鞄色屋が推奨する“冬の保管ポイント”は次の3つです。
① 保存袋に入れっぱなしはNG?通気を意識した保管を
空気の動きがないと乾燥ムラが起き、部分的な色あせの原因になります。
バッグは不織布に入れて、クローゼット内でも風通しの良い位置に置きましょう。
② 白・淡色バッグはこまめに状態チェック
白はわずかな乾燥でも色ムラが目立ちます。
冬は週1回ほどチェックをすることで、バッグの変化を早い段階でチェックすることができます。
③ 暖房の風が直接当たる場所は避ける
暖房の直風は、革にとって大敵です。急激な乾燥で革がこわばり、バッグの形崩れやコバ割れを招く恐れがあります。
秋冬の季節は特にバッグの置き場所には注意が必要です。
このように保管の工夫を意識するだけでも、冬の乾燥ダメージはある程度防ぐことができます。
ただし、すでに角スレや色あせ、コバのひび割れが出始めている場合は、日常ケアだけで完全に元の状態へ戻すのは難しい可能性が高いです。
だからこそ、状態に合わせた判断と、素材・色味を理解した専門的な修理が重要になります。
鞄色屋(ほうしょくや)が選ばれる理由

鞄色屋は、エルメスを中心とした高級ブランドバッグ修理の専門店として、15年以上の経験と累計30,000点以上の修理実績を持ちます。
- 高度な補色技術による自然な仕上がり
- 元の色・質感を損なわない修復
- 修理士 × 鑑定士のダブルチェック体制
- 冬・梅雨など季節特有のトラブルに応じた適切な施術
「新品のような自然な仕上がり」と評価いただくことが多く、遠方からの宅配修理も増えています。
大切なバッグを安心して預けられるよう、仕上がり品質と説明の丁寧さに徹底してこだわっています。
冬の乾燥ダメージが気になったら、専門店へ相談を
冬は、バッグにとって一年の中でも特に乾燥ダメージが進みやすい季節です。
今お使いのバッグも、気づかないうちに乾燥の影響を受けているかもしれません。
特に高級ブランドバッグは、状態に合った判断が重要になるため、専門知識のある修理店に相談することが大切です。
「この状態で大丈夫かな?」と感じたら、鞄色屋にお気軽にご相談ください。





































